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ホーム  >  学会誌  >  日本消化器外科学会 会誌編集委員会「新たな年,そして新たな転機に向かって」

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日本消化器外科学会 会誌編集委員会
「新たな年,そして新たな転機に向かって」

 日本消化器外科学会,会誌編集委員会の方針ならびに姿勢に関して,旧来よりある程度の頻度で読者の方々へ表明し,委員会と読者もしくは投稿者との間の理解をより深めてゆく必要性を日常の編集作業を通し痛感していた.それに基づき,昨年の第43巻第1号(2010年1月)の巻頭(PDF 741KB) で,「日本消化器外科学会会誌編集委員会」として,「1.基本理念」,「2.編集方針」,「3.査読方法」,「4.現況」について述べさせていただいた.

 編集委員会の基本「理念」や編集「方針」が頻回に変更されたり,改変されたりすることはその一貫性から少なく,また必ずしも好ましいことではないとは思われるが,それでも,基本理念を堅持しつつも状況に応じてさまざまな「方法」や「対応」はより良いと考えられる方向で柔軟に勇気をもって改めることも重要であろう.そのような観点から,新しい年を迎えるに毎に何か改めるべきことがないか,あれば委員会での衆知を結集して議論しより良い方向性を目指すべく努力を傾注している.その結果を述べて,読者の方々の理解を得,またご意見,ご批判をいただければ,相互の更なる質の向上に資するのではないかと考えるものである.

 そのような点から,来年が新たな転機となる変更点の大きなものとして,会誌が「ペーパーレス(paperless)」化されることである.また,個人的なことで恐縮であるが,私,桑野博行自身が,編集委員長として任に当たらせていただいて3年が経過し,本委員会の「理念と方針」は踏襲堅持しつつも,「運用方法」に関して少しく変更しては如何かという点について,安藤暢敏理事のご指導のもとに,編集委員会の先生方(表1)のご意見を踏まえ,合意,確認をいただいた点について,以下,お示ししたい.

1.「不採用」と判定された論文における査読意見の添付返却について

 本誌においては従来から,たとえば「希少性」「新知見」などに問題あり,という一語で「不採用」論文の返却を行ってきた.この可否に関しては今日までも本委員会で頻回に議論が重ねられて来たが,先般8月の委員会においても議論された.すなわち二人の査読委員の見解が異なる場合も,しばしばみられ,投稿者にとってさまざまな混乱や,その「不採用」という結果に十分な理解が得られない事態も想定されるが,それにもかかわらずそれを乗り越えてでも委員会の最も重要な理念の一つである投稿者への教育的視点から,より良い論文として別の場で何らかの方法で発表いただきたい主旨を伝えることは我々の責務ではないかと考えるに至った.さらに査読委員の先生がご多忙の中,大変なご尽力で丁寧に査読していただいた内容からなる査読意見でもあり,不採用論文の返却時にも査読意見を添付することとした.ただ,ここで重要なことは,論文採否の最終判断に関しては,査読委員のさまざまの見解をもとに最終的には出席委員全員の合意を得て当委員会がその責務のもとに最終判定していることを今一度確認しておきたい.

2.「編集後記」について

 従来「編集後記」として各委員の先生方が毎号,適切かつ個性あふれる趣きのある珠玉の文章を記していただいている.過去の編集後記もすべて「日本消化器外科学会雑誌ONLINE JOURNAL」サイトで公開しているが,今回,本誌が「ペーパーレス」になるのを機に学会ホームページのほうに移設し,各委員の心意気と志を読者に感じとっていただくべく,より閲覧しやすい場所に掲載することとした.

3.Digestive Surgery のSecondary publicationとして投稿された論文に対する委員会としての対応について

 “Digestive Surgery”に掲載された論文の和訳を規程にもとづき本誌に”Secondary publication”として掲載することは意義あるものと考えられるが,その際,必ずしもfree passで転載するのではなく,本誌に掲載する意義が乏しい場合,すなわちデータが最新のものでないことや,内容が十分でないと判断されるものについては,
ホームページ「日本消化器外科学会公式英文誌について」における「4.Digestive SurgeryのSecond publication」の3行1)の「2.Secondary publicationの制度の設定」の文中の「日本消化器外科学会会誌編集委員会が認めれば (中略) 転載することが認められる.」
の文言にもとづき,査読委員の見解をもとに当委員会が最終的に採否を判定する.すわなち,不転載の判断もありうることをご理解いただきたい.

4.投稿規程に関して

 今回のペーパーレスも含め雑誌の状況の変化に伴い「投稿規程」も新規のものとなっており,是非ご確認いただきたい.また何か,お気づきの点があれば,忌憚のないご意見を賜わりたい.

5.倫理的問題に関して

 「医学研究発表における倫理的問題」,「患者プライバシー保護に関する指針」,「患者病理検体の取り扱い」,「遺伝子検査の適切な実施」,「二重投稿に関するコンセンサス」などは,投稿の際に規程を今一度,ご確認いただき対応していただくことを切にお願い致したい.

6.利益相反状態の申告について

 2011(平成23)年1月から原稿投稿時に申告をして頂くこととなっている.

 

 以上,日本消化器外科学会会誌編集委員会の,基本的姿勢と運用および変更点について記した.

 いずれにせよ,本学会誌の基本理念「和文誌の最高峰を目指す」「若手の消化器外科医の登竜門」という普遍の確固たる信念のもとに,一方で状況に応じた臨機応変の対応もしつつ,本委員会の責務を果たすべく,委員一同努力を傾注して参りたい.

文責 日本消化器外科学会
会誌編集委員会 委員長
桑野 博行

(2010年12月)