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Last Update:2008年4月11日
ご案内
消化器がん外科治療認定医創設のお知らせ
平成20年3月吉日
会員各位有限責任中間法人日本消化器外科学会
理事長 北野 正剛
専門医制度委員会
委員長 宮川 秀一
理事長 北野 正剛
専門医制度委員会
委員長 宮川 秀一
消化器がん外科治療認定医創設のお知らせ
消化器がんの外科治療のみならずその診療の諸相を担っている本会会員にとって,日本がん治療認定医機構の「がん治療認定医」には,「がん治療認定医機構『がん治療認定医』への対応」で指摘したような幾つかの問題点があります.また,その後の調査で明らかになったことですが,本会認定施設の63.6%が同機構の認定施設を兼ねていますが,残りの30数%,約330施設はそれではありません.
本会としては,がん診療に携わる本会会員は,原則的には同機構の「がん治療認定医」取得が望ましいと考えておりますが,日常診療において安心して消化器がん診療に専念できる環境を整備すると同時に,現状について国民に正しく理解してもらう必要があると考えています.
そこで,平成19年9月から会員のみなさまにホームページを通じてご意見を募り,次いで同年11月には「消化器がん外科治療認定医の創設」について3,700余名の消化器外科専門医取得者にアンケートを実施し,約1,700名からご回答いただき,そのうち90%近い方々からご支持をいただきました.平成20年1月には,理事会決定として「消化器がん外科治療認定医の創設について」をホームページ上でご報告申し上げ,その後特段の反対のご意見もいただいておりません.
我が国における消化器がん診療の現状では,消化器外科医がその諸相において中心的な役割を果たさなければなりません.新しいがん診療体制の構築が進むにつれ,消化器外科医の守備範囲の再検討も必要になることも予想されますが,早期発見ならびに術前の精密診断と摘出標本の詳細な検討から,より高い根治性を求めて技量を磨き,根治的な手術と各種の補助療法によって世界に誇れる治療成績を上げてきたことが我が国の消化器外科医の伝統であり,これを損なうことがあってはなりません.
これらを踏まえて,理事会及び専門医制度委員会で検討を行った結果,今後同機構との交渉は継続するものの,消化器外科専門医への「がん治療認定医」無条件付与の如何にかかわらず,同機構が提起している条件を本会専門医制度に取り込んで行くこと,消化器がんの外科治療の担い手は本会会員であることを明らかにするために,一定の要件を満たした者(当面は消化器外科専門医.理由は以下(※)をご参照.)に対して本会独自の「消化器がん外科治療認定医」を創設することを決めました.
※消化器外科専門医は,次のような認定条件等を鑑み,消化器がんの外科治療に関して十分な能力を有するとみなす.
- 診療経験
消化器外科専門医修練カリキュラムに示された手術について,手術難易度・到達度別必須症例及び必須主要手術の術者としての規定例数を含む450例以上の経験を必要とする.その手術術式の多くはがん診療に関するものである.また,必須主要手術もその大部分ががん診療にかかわるものを要求事項としている. - 業績
消化器外科領域に関する研究発表(論文を含む)を必要とする.実際の申請状況としては,その多くががん診療に関するものである. - 研修実績
教育集会における総論,食道,胃・十二指腸,肝・脾,胆・膵,小腸・大腸といった領域について,すべての受講を必要とする.各論はがん診療に関する内容を多く含んでいる. - 筆記試験
100題の設問数のうち,がん診療に関する問題を4割近く含んでいる. - 消化器外科専門医修練カリキュラム
- 到達目標の一つとして,腫瘍学(各種癌腫の病態の特性に合わせた手術,化学療法,放射線療法,免疫療法など)について定めている.
- 到達目標の一つとして,がん診療に関連した手術を含めた手術技術について定めている.
この「消化器がん外科治療認定医」の創設について,平成20年3月23日開催の臨時社員総会に諮ったところ,以下のとおり承認されましたので,この旨ご報告申し上げます.
これが本会会員にとって,消化器がん診療において国民の更なる信頼が得られる手助けとなればと祈念いたします.
消化器がん外科治療認定医について,次のとおり定める.
平成20年3月23日
有限責任中間法人日本消化器外科学会
理事長 北野 正剛
理事長 北野 正剛
消化器がん外科治療認定医について
1 この法人は,消化器外科専門医の資格を有する者に対し,消化器がん外科治療医認定医の資格を付与することとする.
2 前記により消化器がん外科治療認定医の認定を受けた者は,消化器外科専門医資格を喪失したときは,その資格を失う.
附則
この定めは,平成20年3月23日から施行する.